貝類の殻・軟体部形成に関わる炭素源推定と海洋酸性化影響の評価 ―天然放射性炭素14を活用した安全な標識法の提案―
茨城高専・東大・筑波大学で共同プレスリリースを行いました。
貝類の殻・軟体部形成に関わる炭素源推定と海洋酸性化影響の評価 ―天然放射性炭素14を活用した安全な標識法の提案―
海洋環境変動が海洋生物の生理代謝へ及ぼす影響を明らかにするため、放射性炭素14(14C)を活用した新たな標識法:リバースラジオアイソトープ標識法により、貝類の殻や軟体部形成に関わる炭素源を明らかにしました。
天然に存在する二酸化炭素ガスを活用しているので、管理区域指定が必要な14C標識物質を用いた従来法よりも、安全、安価かつ汎用性の高い炭素源推定法です。
本研究で分析した個体は、Nishida et al. (2015) で海洋酸性化実験を行い、殻の炭素・酸素同位体比の分析をした個体になります。さらに14Cを活用することで、殻形成への海水由来の炭素源と餌由来の炭素源の寄与率を明らかにすることができました。
東京大学大気海洋研究所の高感度な14C分析技術、海洋生物環境研究所での高度な生物飼育実験技術を融合させ、実現することができた研究です!
この手法がいろいろな実験系、いろいろな生物に活用してもらえると嬉しいです。
↓掲載誌のFB,Twitterでも取り上げていただきました。
How can we determine the extent to which #bivalves are affected by #oceanacidification?
— Methods in Ecology and Evolution (@MethodsEcolEvol) May 12, 2020
Nishida et al's new paper uses a novel reverse #radioisotope labelling method to determine how much dissolved inorganic carbon is assimilated by marine calcifiers: https://t.co/t1F5Zd7woq pic.twitter.com/ekaOWGAgDh
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